特集 病院空間とまちづくり
“癒し”としての病院の緑
浅野 房世
1
1東京農業大学バイオセラピー学科園芸療法学研究室
pp.828-832
発行日 2007年10月1日
Published Date 2007/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541101030
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筆者は植物介在(園芸)療法に関して教鞭をとっている.植物介在(園芸)療法とは,患者のセラピーとして植物を用いるものである.筆者の研究室には「具体的にはどのようなものか?」「どのようなエビデンスがあるのか?」「対象者は?」などなど,多くの質問が寄せられる.それらの質問に対して,「植物介在(園芸)療法は“人間の緑を恋う本能に基づく療法”である」と本質的に答えているため,質問者はますます理解できないようである.そこで本稿では,もう少し丁寧に「人間は緑を求めているのか?」を論じ,そのうえで具体的な緑の癒しを実施した病院事例を提示し,それがどのような効果を患者,職員,近隣市民に提供したかを記述したい.
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