特集 躍進するアジアと病院戦略
巻頭言
神野 正博
1
1恵寿総合病院
pp.897
発行日 2007年11月1日
Published Date 2007/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541101047
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経済,物流やIT,コミュニケーションばかりではなく,交流人口にも労働人口にもグローバル化の波が押し寄せている.その結果,国際競争力をつけたアジアの社会がその情報発信力を利用してサービスや価格の優位性をアピールし,虎視眈々と日本市場を狙ってくることとなった.アジアは戦後日本の復興の過程と同じように安い労働力を基盤とした低価格品の製造工場から,品質が高い商品やサービス業の勃興へと変容を遂げているのである.
特に,2008年に予定される北京オリンピックとその後に続く上海万国博覧会を控え急速に近代化する中国,中国に変わる世界の工場として台頭著しい東南アジア諸国,英語力を活かしたハイテク産業が集積しつつあるインド,各国は人口を背景に労働力のみならず旺盛な自国消費を引き出し,教育基盤を整備し,様々な特徴によって自国を差別化しようとしているのである.
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