特集 改めて癒しの環境を問う
精神病院における癒し
徳永 雄一郎
1
1不知火病院
pp.848-850
発行日 1999年9月1日
Published Date 1999/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541902800
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今日,急速に「癒し」なる言葉が頻繁に聞かれるようになってきた.そのことは,各個人個人が「癒し」を強調せずにおれないほどの「癒しのない日常」にさらされていることを示しているのであろう.
では何が癒されて,何が癒されていないのか? それは個々で異なる問題であり,そのことを明らかにすることから始められなくてはならない.例えば,Aさんは母親との関係でお互いが理解しあえないまま,その隙間を埋めることができない問題を引きずっていたり,Bさんは職場における狭い職場環境からくる問題を抱えていたりと,各自の問題は大きく異なっている.それだけに,各個人が自分のこの「非癒し」の体験を考えていき,個人の問題点を明らかにしていくことが大切であると,筆者自身は考えている.
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