連載 ヘルスケア環境の色彩・照明・6
照明3 食欲の出る光環境
手塚 昌宏
1
1ヤマギワ株式会社PDC
pp.454-455
発行日 2007年6月1日
Published Date 2007/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541100949
- 有料閲覧
- 文献概要
■これからの食に対する明かりのあり方は
食欲は健康のバロメータとも言うが,健康を害すると食欲はなくなるものである.しかし,健康で食欲があるのに,照明が原因で料理がおいしく見えず食欲がなくなることがある.一般にレストラン設計の際は,光が環境に与える影響が大きいことがわかっているために,食事をおいしくいただける照明が自然と組み込まれているものである.
ヘルスケア環境の食空間は,食欲のない人たちが多く利用されるのに,料理をおいしくいただくための配慮が足りないようである.一般のレストランより,さらにきめ細やかな配慮がなされてもよいはずなのにである.食事をおいしくいただくには,まず,しつらいは落ち着いて食べられるインテリアデザインであること.そして色彩は暖色系のレッドやオレンジは食欲を増す効果があり,淡色のピーチやソフトイエローも食が進む色とされている.また椅子やテーブルも大きな要素であり,テーブルと椅子の高さ関係が悪いと食べにくい.最近は食器にも注意がなされ,その素材や見た目のデザインに配慮されたものが使われるようになったことは大変好ましいことである.
Copyright © 2007, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.