特集 派遣は人材確保に役立つか
労働者派遣法改正―医療関連業務に関する議論
樋口 美雄
1
Yoshio Higuchi
1
1慶應義塾大学商学部
pp.971-975
発行日 2004年12月1日
Published Date 2004/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541100930
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■紹介予定派遣の解禁・チーム医療と事前面接
「労働者派遣」とは,派遣会社(派遣元)と派遣先の間で派遣契約がなされ,その契約に基づき労働者が業務に従事することを指す.派遣される労働者は,派遣元の事業主に雇用されている従業員であり,派遣先から受ける指揮命令に従って仕事をしていくというトライアングルの関係になっている(本誌968頁,濱田論文,図左参照).「直接雇用」であれば賃金を払うところが指揮命令もするのに対して,「派遣」では,給与を払ってくれるところと,指揮命令をするところが違ってくる.
通常の「派遣」において,派遣先が労働者の事前面接を行ったり,派遣元から労働者の履歴書を取り寄せたりするような,派遣先が派遣労働者を特定することを目的とする行為は,労働者派遣法で禁止されている.つまり,派遣労働者は労働サービスを提供し適切に業務を遂行すればよく,派遣先が,年齢や性別,容姿などという労働者のスキルとは直接関係のないものによって,労働者の条件を絞ったり,労働者を選別したりするような行為は行ってはならないとされてきた.
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