特集 病院のセーフティ・マネジメント最前線
医療の質改善に向けた医療記録の点検・評価
石川 澄
1
Kiyomu Ishikawa
1
1広島大学附属病院医療情報部
pp.562-566
発行日 2004年7月1日
Published Date 2004/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541100848
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■医療の説明責任
医療の質の向上を目的とする評価は,日本医療機能評価機構によってわが国でも一般化した.従来の機能評価は,病院管理者のリーダーシップの下に人材,施設機能が量的に確保され,組織的な病院運営がなされているかということが主眼であり,質を直接測るものではない.しかしこのような視点の評価がなされたことによって,多くの医療機関における組織構造の水準は向上したと思われる.
医療を健康保持と危機管理に関する社会サービスであると位置づければ,医療の提供者には結果とそれに至るプロセスを受益者に説明する責任が生じるのは当然である.そのような社会サービスとしての医療の過程と成果を評価するために,医学的な妥当性が専門的に示されることのみならず,受益者である患者にとっても理解できる説明がなされなければならない.
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