特集 病院のセーフティ・マネジメント最前線
医事紛争の回避と解決に向けた課題―臨床家の立場から
長谷川 剛
1
Tsuyoshi Hasegawa
1
1自治医科大学呼吸器外科
pp.567-572
発行日 2004年7月1日
Published Date 2004/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541100849
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人間というものは,自分の運命は自分で作っていけるものだということをなかなか悟らないものである.
(アンリ・ベルグソン)
医療訴訟の増加とともに,医療事故は大きな社会的問題と捉えられるようになってきた.日本全国の医療事故訴訟係属事件の新受数(新たに訴訟となった件数)は,最高裁判所事務総局民事部の統計によれば,昭和45年には年間102件の医療訴訟が提起されていたが,その後平成10年には年間622件の訴訟が提起された.そして平成13年には800件を超えており,1,000件を超えるのも時間の問題とされている.
臨床医にとっても病院管理者にとっても医事紛争の問題は看過できないものとなっている.医療従事者は,安全かつ良質な医療を提供するために不断の努力を続けるべきであるが,同時にいかに医事紛争を回避するかということも考えておく必要がある.
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