特集 業務改善と標準化に向かって パスを見直そう
クリニカルパスの見直しと医療の質改善
副島 秀久
1
1済生会熊本病院
pp.878-882
発行日 2011年9月10日
Published Date 2011/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686102196
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どうすれば見直しが進めやすくなるのか
数年前ある研究会で「看護師を怒りまくって手術している」という医師がいた。大変な職場だなと思いつつ,こうしたパターナリズムの世界では医療の改善などほど遠いとあらためて実感した。パターナリズムはヒエラルキーの世界でもあり,専門家の知識や技術より,その位(ポジション)が絶対的に支配する。外界との交流が少なければ少ないほどパターナリズムに陥りやすく,いわば「井の中の蛙」「お山の大将」となる。閉鎖的な学閥,職能閥,職域閥などのセクショナリズムは進歩の阻害要因であり,これを打ち破るのは知識や技術,人の交流であろう。知識や技術は書物やインターネット,学会などで多少なりとも交流できる。最も重要な交流は組織風土や医療に対する姿勢などだが,これには人の入れ替わりが必要だ。クリニカルパス(以下,パス)の「見直し」作業も既成の概念にとらわれないという意味で新しい人の参加と組織風土の改革が最も有効だろう。
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