特集 急変する医薬品政策―病院としての対応
DPC と薬剤
増原 慶壮
1
Keisou Masuhara
1
1聖マリアンナ医科大学病院
pp.467-470
発行日 2004年6月1日
Published Date 2004/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541100831
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2003年4月からの DPC (diagnosis procedure combination:1日当たりの定額の点数を包括化して支払う方式)の実施に伴い,医療の質を維持しつつ経済効率を追求することは,病院経営においていっそう重要性を増してきている.経営的に DPC をとらえると,疾病の医療に対する収入が一律である以上,医薬品を含めてそれらにかかるコストを削減することが経営効率を高めることになる.その中で,病院収入の約20%を占める医薬品購入費は,経費削減において大きな影響を及ぼす.
医療の質を保証しつつ,医薬品の購入費を抑制することは,病院経費を削減することだけではなく,患者が支払う医療費を削減し,医療費全体の抑制に大きく貢献することにつながる.医薬品購入費を抑制する方法としては,クリニカルパスなどの導入による EBM(evidence-based medicine)に基づく医療の標準化を促進することによって,医薬品の採用を抑制し,効率的に医薬品を使用することと,医薬品の品質が保証されるならば,薬価の安価な後発医薬品(ジェネリック医薬品)を使用することが考えられる.
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