連載 病院管理フォーラム
薬剤管理指導記録・5
POS・クリニカルパス統合型記録〈実践編〉気管支喘息治療薬
宮崎 美子
1
Yoshiko Miyazaki
1
1総合高津中央病院薬剤科
pp.430-432
発行日 2004年5月1日
Published Date 2004/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541100826
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適切な医療記録は,医療の質そのものを表すという意味で非常に重要であることは今さら言うまでもないであろう.これまで POS とクリニカルパス(以下パス)を比較しながら,POS ・パス統合型記録の利点を述べてきたが,入院治療でのケア過程においての POS とパスの比較について,気管支喘息の患者を例に示す(図).
一般的にパスを導入している医療施設において,POS はパスでのバリアンス(パスで想定された患者の標準的な経過とずれた結果)発生時の記録として利用されていることが多いが,これらのパスの特性を POS の考え方に融合することで,施設基準に見合う,完成された記録としてパスを利用できると考える.すなわち「目標管理」のパスと「問題解決」の POS の欠点を補い合い,利点を統合させたことで,標準化,効率化された,観察者の経験等による “もれ” がなく,かつ画一的でない記録が完成するのである.
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