特集 国民は医療をどう見ているか
医療報道はどうあるべきか
出河 雅彦
1
Masahiko Idegawa
1
1朝日新聞編集委員
pp.29-32
発行日 2004年1月1日
Published Date 2004/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541100743
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医療は国民の最大関心事の一つである.また,医療問題のテーマは多岐にわたり,様々な切り口で取り上げる必要があることから,各新聞社は他の取材分野に比べ,相対的に多くの記者と紙面を医療報道に割いている.朝日新聞社でいえば,医療報道には編集局のほぼすべての部門がなんらかの形でかかわっている.
医療行政の所管官庁である厚生労働省の動向や社会保障制度の中における医療については,主に企画報道部(くらし編集部)が担当する.科学医療部は基礎医学や先端医療の動向を追うとともに,様々な疾病のメカニズムや最新の治療,健康法の紹介などを担う.診療報酬の改定,患者自己負担割合や保険料率の引き上げを伴う健康保険法改正など,政治問題化することが多いテーマには政治部がかかわる.製薬業界や医療機器業界の動きや規制改革については主として経済部がカバーし,医療機関で相次ぐ医療事故については社会部や医療機関所在地の支局が取材に当たる.学芸部が担当する家庭面においても,主に患者の視点から医療を題材にした記事を掲載している.
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