特集 国民は医療をどう見ているか
経済界は医療をどう見ているか
矢野 弘典
1
Hironori Yano
1
1社団法人日本経済団体連合会
pp.33-36
発行日 2004年1月1日
Published Date 2004/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541100744
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■医療を取り巻く環境の変化
日本の公的医療保険制度は皆保険制度をとり,国民の生活に安心を与える仕組みとして機能してきた.企業としても,社会・労働保険料の事業主負担を行うことに加えて,従業員の疾病による欠勤や労働災害を防止し,継続的な生産性向上を達成するため,従業員と家族に向けて健康管理,予防事業などの福利厚生施策を提供してきた.
しかし現在,少子高齢化という急速な人口構成の変化を迎え,さらに10年以上にもわたる景気停滞を背景として,医療財政は危機的な状況にあり,医療保険制度の抜本的な改革が急務となっている.さらに企業としても,総額人件費の中での福利費の割合が年々大きくなり,従業員に手厚い福利厚生を提供することの負担が大きくなってきている.
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