連載 病院ボランティア・レポート─ボストン,ロンドン,そして日本・8
チャリティとボランティアが支えるイギリスのホスピス
安達 正時
1,2
1佐賀医科大学
2ボランティアサークルSMILE
pp.957-959
発行日 2003年11月1日
Published Date 2003/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541100737
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2002年8月12日,BBCのトップニュースを,末期がんと闘いながらロンドントライアスロンを完走したJane Tomlinsonの笑顔が飾りました.Janeは12年前に乳がんと診断され,さらに既に肺と骨に転移していることがわかっていました.レポーターから,「一番きつかったのは,いつですか」と質問され,「始めの3分間」と笑顔で答えている姿は,闘病の苦しさを感じさせない明るさに溢れていました.
彼女はこのトライアスロンへの参加によって,Cancer Research UKのための寄付金50,000ポンド集めることに成功しました.Cancer Research UKは,The Cancer Research CampaignとImperial Cancer Research Fundとが統合し,2002年2月に再スタートした,チャリティによって運営されている,がん研究所です.企業や個人から年間17,600万ポンド以上の寄付金を受けています.3,000人の研究者が,治療や発症を抑える薬の開発,患者のQOL向上のために日々努力を重ねています.
イギリス国民のがん治療へ関心は高く,イギリス政府の2000年医療改革では,Cancer Planとして2004年までに緩和医療への投資を5,000万ポンド増額するとし,さらに,がんの研究に2,000万ポンド投資するとしています.
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