連載 医療機関のマーケティング戦略─産科の受療行動からみえるもの・7
なぜ病院は選ばれなかったか―女性が助産院を選択するとき
河合 蘭
pp.954-956
発行日 2003年11月1日
Published Date 2003/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541100736
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1%の助産院出産が注目されるのはなぜか
病院は,もちろん多くの女性に選ばれていて,病院で出産する人は全産婦の半数を占める.残りの半数は診療所である(以下,病院と診療所を合わせて医療施設という).ここで取り上げる助産院での出産は,日本の全分娩のうち1%に過ぎない.
ところが,助産院出産や自宅出産は,この10年ほどの間,マスコミの脚光を浴び続けてきた.報道では,助産院や自宅でのお産は「温かいお産」,「家族に見守られたお産」の代名詞だ.医療施設も,「助産院のような温かいお産を提供します」とパンフレットなどに書き始めている.
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