連載 病院管理フォーラム
事務長の病院マネジメントの課題 急性期病院の立場から・19
病院組織の活性化を目指した人事考課の取り組み
佐合 茂樹
1
1特定医療法人厚生会木沢記念病院総合企画部
pp.860-863
発行日 2003年10月1日
Published Date 2003/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541100701
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病院の活性化の視点
病院を取り巻く環境が大きく変わろうとしている.使い古された表現ではあるが,地域の「病院」が変わりつつある現実を見ていると,そう思わざるを得ない.病院の機能特化の流れに代表されるように,医療提供体制の整備では一般病院を急性期と慢性期に分けたいという思惑があり,施設基準や診療報酬制度の体系もそれに合わせて整備されつつある.このような環境下で,一般病院の病院管理者たちは,旧態依然のままでは生き残れないことを予測して,医療制度そのものが地域医療に合わない実態や診療報酬上のメリットのみが医療を支えるものでないことを肌で感じながら,自院のあるべき姿を模索し,病院の変革を試みている.
急性期病院か慢性期病院かという選択は,地域ニーズを踏まえた病院個々の機能により決定されるものである.病院がどちらの方向性を目指す場合でも,大切なことは,組織としての意思決定が職員に周知徹底され,活力ある運営ができるか否かである.良い病院の条件はまさに「組織の活力」に左右されるものであり,その意味では病院組織をいかに活性化させていくかの課題は,管理職に課せられた重要な使命ともいえる.今回,筆者の連載の最後として,特に急性期病院に限定した話題ではないが,院内活性化と職員個々の成長の視点で取り組んだ木沢記念病院の人事考課制度について紹介する.
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