特集 病院のカウンセリング機能
患者・家族への心理的・社会的サポート
遺伝カウンセリング室における患者・家族へのサポート
近藤 達郎
1,2
,
石丸 忠之
1,3
1長崎大学医学部附属病院遺伝カウンセリング室
2長崎大学医学部小児科学教室
3長崎大学医学部産婦人科学教室
pp.300-303
発行日 2003年4月1日
Published Date 2003/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541100590
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分子遺伝学の進歩などによる診断技術や医療技術の向上が,逆に遺伝性疾患患者・家族が自己決定を強いられる場面や,生命倫理的な諸問題に遭遇する機会を増やしているのは事実であろう.このような方々の精神的負担を軽減する目的で,長崎大学医学部附属病院に遺伝カウンセリング室が,平成12年4月24日に開設された1~9).長崎県は厚生省(現厚生労働省)が平成11年より打ち出した「遺伝相談モデル事業」に呼応し,保健所・保健センターや各市町村の保健師の方々との連携の下,県単位で保健所―市町村と当遺伝カウンセリング室との連絡網としてのシステムを作り上げた.本稿においては当遺伝カウンセリング室の活動内容を報告し,われわれがどのように患者・家族に接しているかを紹介する.
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