連載 アーキテクチャー 保健・医療・福祉 第146回
ホスピス二題
組合立国保中央病院緩和ケアホーム『飛鳥』
河崎 邦生
1
1株式会社内藤建築事務所設計本部
pp.262-265
発行日 2007年3月1日
Published Date 2007/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541100304
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国保中央病院は奈良県中部の川西町,三宅町,田原本町,広陵町の4町によって設立された自治体病院である.病床数200床を有する基幹病院として地域医療の充実向上を目指している.当院が緩和ケア病棟を設立するまで,奈良県にはホスピス・緩和ケア病棟がなく,患者の家族やボランティアによる市民団体「ホスピス勉強会」が2000年に設立され,ねばり強い活動が続けられている.
奈良県で初めての緩和ケア病棟となる『飛鳥』は,治療が困難となったがん等の末期患者の身体的,精神的な苦痛,孤独,不安などを軽減し,最後まで尊厳をもって過ごすことができるように手助けするための施設である.既存の緩和ケア病棟の多くは一般的な病棟に近いしつらえであるが,飛鳥では「住み慣れたわが家のように」をメインテーマにすえ,末期患者さんがわが家にいるような気持ちでご家族と快適に過ごしていただけるように,最適な空間と医療機能の融合を目指した(写真1).
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