連載 今月のニュース診断
臨床現場の個人情報保護
斎藤 有紀子
1
1北里大学医学部医学原論研究部門
pp.470-471
発行日 2005年6月1日
Published Date 2005/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1665100216
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患者情報の流出
小児科医の自宅パソコンから,60人分の臨床情報が,インターネット上に流出した。医師のパソコンが新種のウイルスに感染し,保存データがネット上に流通したらしい。
流れたのは,気管支ぜんそく,ウイルス感染症,へんとう炎などで鳥取赤十字病院に入院した子どもの情報。氏名,生年月日,年齢のほか,発熱,おう吐,下痢などの詳しい臨床症状,点滴,酸素吸入など治療経過や薬の処方,他医院から紹介された経緯,体温変化の図表や,家族の病状に触れた記述もあった。小児科医は,研究のために診療録から自分のパソコンに患者情報を入力し,今回の事件につながったという(毎日4月1日)。
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