特集 医療の本質を捉える
医療の可能性
高久 史麿
1,2
1日本医学会
2自治医科大学
pp.24-28
発行日 2005年1月1日
Published Date 2005/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541100221
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医療の可能性について論ずる場合,医療関係者の間でもその意見は大きく分かれるであろう.近代医学の歴史は絶え間ない進歩の歴史である.20世紀の100年間を考えても,診断の面では X 線診断法の発達,超音波,CT,NMR(MRI),PET 等を用いた新しい画像診断法の開発,内視鏡を用いての診断等,また治療の面では抗生物質による感染症の治療,癌に対する化学療法や放射線療法の開発,様々な移植療法の臨床への応用,内視鏡治療の発達等,枚挙に暇がない.
以上のような著しい進歩に目を向けるならば,医学は無限の可能性を含んでおり,その医学の進歩に基づいて行われる医療にも限りなく多くの可能性を期待することができるといえよう.しかし一方で現在の医学の知識では病態を解明することができず,したがって治療も症状の改善に留まる疾患が数多く存在しているのも事実である.また,それだからこそ医学の研究をさらに推し進め医療の現場にその成果を反映させる必要があると考えられる.
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