特集 超高齢社会の終末期ケア
終末期ケアに対する遺族満足度―2つの病院における試行的調査
山田 ゆかり
1
,
池上 直己
2
1東京医科歯科大学大学院保健衛生学研究科看護システムマネジメント学
2慶應義塾大学医学部医療政策・管理学教室
pp.132-135
発行日 2006年2月1日
Published Date 2006/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541100166
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冒頭の論文1)で述べているように,わが国では死亡場所の8割以上が病院であるものの,一般に医療従事者は死の看取りを系統的に学んでいない.そのため,病院における終末期の対応は必ずしも十分ではなく,遺族が終末期ケアに対して不満をもっていれば,病院での評判は低下することが考えられる.そこで,Lynnが整理した,亡くなるまでの経過モデル2)のうち第二のパターン,つまり急性憎悪を繰り返し死に至る経過を辿る患者が多いであろう急性期の1病院(病床数315)と,第三のパターン,つまり医療よりも介護が中心の経過を辿る患者が多いであろう療養期の1病院(病床数667)を対象とし,遺族が終末期ケアにおいてどのようなことを重視しているか調査した3)ので,その結果を概説し,今後の病院の課題について整理したい.
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