特集 社会的責任(CSR)が問われる病院
事業家の社会貢献から世界水準の地域医療へ
相田 俊夫
1
1財団法人倉敷中央病院
pp.469-473
発行日 2005年6月1日
Published Date 2005/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541100023
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倉敷中央病院の創設者大原孫三郎(1880~1943;以下孫三郎)は,法政大学総長を務めた経済学者大内兵衛氏の表現を借りれば,「1900年前半における大阪以西の最大の事業家であったが,彼はその作りえた富を散じて公共の事業をしたという点では,三井も三菱もその他いかなる事業家よりも,なお偉大な結果を生んだ財界人」であった(大内兵衛「高い山―人物アルバム」所収.岩波書店刊).
本稿では,1人のカリスマ事業家が推し進めた社会的責任(CSR : Corporate Social Responsibility)の源流を振り返りつつ,その落とし子の一つである当院の歴史,そして現在企業において注目されている CSR を当院にあてはめ,病院における CSR の今後のあり方について述べてみたい.
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