研究と報告
下垂足(総腓骨神経まひ)に対するSpiral braceの使用経験
島田 孝
1
,
大井 淑雄
2
1東京女医大病院中央リハビリテーション部
2自治医科大学整形外科
pp.293-297
発行日 1972年8月9日
Published Date 1972/8/9
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518104252
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はじめに
総腓骨神経の損傷は足関節の背屈を不能にし,歩行に際し足が地面からはなれてもちあげられるとき(swing phase),前足部が下垂してdropfootを生じる.それゆえにこのような患者の歩容は前足部が床につかないようにするため大腿を股関節で正常よりも著しく屈曲させ,膝の屈曲もより強調される.また足を床につけたとき,足指がまず床に着き,それから踵が着いて,正常のheel strikeが起こらない.これはtoe-heel gaitと呼ばれている.このような下垂足の歩容改善のため,従来からいろいろな装具が工夫されてきたが,それぞれに利点もあり,欠点もある.今回当院でSpiral braceを試作し,臨床的に応用してみたのでその結果を報告する.
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