トピックス
子宮内膜診のためのMilanのEndometril spiral
広井 正彦
1
1山形大学産科婦人科学教室
pp.974
発行日 1976年11月10日
Published Date 1976/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409205525
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最近,子宮内膜癌が増加しているが,この早期発見に細胞診がよく用いられてきている。このためにわが国でもルーチンに用いられて来ている方法として,腟頸管スメアがあるが,必ずしも検出率がよくなく,常に一定した成績をえにくかった。そこで子宮内膜の掻爬による組織診が行なわれるようになったが,一かき診による他の部位の癌の発見の出来にくいこと,数ヵ所掻爬することによる内膜の障害や出血,感染などの障害もあり,日常の診療に必ずしも広く用いられない傾向にあった。
このためにらGravleeら1)は噴出式注入器(Jet washer)を考案し,水を子宮腔内に噴出させて表在にある剥離しやすい細胞を集め,これを鏡検することにより診断した。彼は53例の子宮癌患者にこの方法を用いて全てに癌を認めることが出来たと報告した。その後この方式の優秀さが報告され,広く応用されるようになった。
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