症例の検討と反省
再発の恐怖を克服させ得なかった一症例
平尾 恵美子
1
1東京都心身障害者福祉センター
pp.141-147
発行日 1972年4月9日
Published Date 1972/4/9
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518104210
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はじめに
Vocational rehabilitationの分野においては,ケース側の準備が万端ととのったにもかかわらず,受け入れ側の事情で就職できないというのが,むしろ一般的な傾向と言えよう.ところが,今回紹介するケースは,その逆で,受け入れ側も了解し,また,客観的諸能力も十分ありながら,就労に結びつけることができなかった例である.単に本人のmotivationの問題と言うことであれば,CVAによく言われることとして,取り立てて書くほどのことではないのかも知れないが,どうも,OTのアプローチのしかたにも,問題があったように思われてならず,あえて,失敗例として取り上げ,反省を加えてみることにした.
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