Japanese
English
研究と報告
対人恐怖の回復過程に関する一考察
Studics on the Rccovery Proccss of Anthropophobia
笠原 敏彦
1
,
大宮司 信
1
Toshihiko Kasahara
1
,
Makoto Daiguji
1
1北海道大学医学部精神医学教室
1Department of Psychiatry and Neurology, Hokkaido University School of Medicine
キーワード:
Anthropophobia
,
Anxiety
,
Situational dependency
,
Psychological developmen
Keyword:
Anthropophobia
,
Anxiety
,
Situational dependency
,
Psychological developmen
pp.583-588
発行日 1983年6月15日
Published Date 1983/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405203596
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
抄録 対人恐怖の回復過程でみられた逆説的な現象に注目し,治療論的観点からその臨床的意味について考察した。その現象とは,対人恐怖症状の発現状況が,それまでとは逆転し,家庭内に限局するもので,回復期において一過性に認められた。そして,その現象の背後には,対人恐怖からの立ち直りに必要な対人関係における自立,とくに家族からの心理的自立が深く関連しており,それは面接時の話題においても,あるいは実際の行動からも裏づけられることを指摘した。さらに彼らの自立を示唆する臨床的現象として,面接の特徴的な終り方にふれ,それが治療者からの自立を意味するものであることを述べた。
Copyright © 1983, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.