とびら
PT・OTに望むもの―リハビリテーションの進歩のために
荻島 秀男
1,2,3
1三愛会伊藤病院リハビリテーション部
2東京都養育院付属病院リハビリテーション部
3高知リハビリテーション学院
pp.89-90
発行日 1972年4月9日
Published Date 1972/4/9
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518104198
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世界のどこの国においても新しい職種が生まれる場合には抵抗もあり誤解も大きい.新しい職種が出現するには何等かの社会的ニードがあるから生まれるわけでただ外国の真似をしなければならぬので何とかしようという態度では困る.社会的ニードがあり生まれたものであれば社会全体がその成長に温い目をもって応接するのが当然であるのに,我国におけるPT・OTへの理解は必ずしも十分とは言えない(日本政府も含めて),またその当事者の努力も十分とは思えない.
我国は天然資源に乏しく持っている資源は人的資源のみである.世界の生存競争の中で生き残るには技術が常にトップであることが我国の場合は絶対必要なことでそれを可能にする人的資源をたいせつにするのには国のレベルでの教育と健康管理への投資が重要である.それなのに国のレベルで医療を赤字と考えてマスコミも赤字赤字と騒ぐのは非常識もはなはだしい.特にPT・OTの成長には健康管理,機能回復が国のレベルでの必要経費と考える社会福祉的政策の充実が望まれる.
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