特集 リウマチ
手記:理学療法・作業療法への願い―リウマチリハビリテーションの充実に向けて
島田 広子
1
1日本リウマチ友の会
pp.798-799
発行日 1988年12月15日
Published Date 1988/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518104153
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1.初めに
日本リウマチ友の会では1985年(昭和61年)より事業計画に,「リハビリテーション(以下リハビリ)の充実,障害をひどくしないために―」を目標として掲げている.それというのは,前年に会員の実態調査をした結果,「リハビリをしていない」と答えた会員が46.7%いたこと,そのうえ,その約30%が「する必要が無い」,約28%が「指導してくれる先生がいない」と答えたからである.(『'85リウマチ白書』)
当会では機関誌『流』,小冊子『リウマチ110番なんでも相談室』などで,正しいリハビリの啓発のため,特集を重ねてきた.しかし,前記の調査結果であり,またリハビリとは手術を受けた人とか,重度の障害が出た人が運動着を着て訓練を受けることという過った考えが,意外に強いことを知って,私たちはリハビリの正しい理解,実行を会の目標にしたのである.
その年の全国大会では東京大学の上田敏先生に,講演をお願いした.先生はリハビリの定義について「人間らしく生きる権利の回復,すなわち全人間的復権だ」と,感動的なお話をしてくださった.
そうした人間性をふまえた理想的なリハビリを期待するのは,まだまだ難しい現状ではある.ここでは理学療法,作業療法にかかわる専門の方々に,リウマチ患者すべてにとって,リハビリがどんな時期にもたいせつな基礎療法であることを,指導して欲しいという願いを述べてみたい.
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