新しいキットの紹介
Phospholipids測定法の検討
大場 逸見
1
1町立岩出山病院臨床検査科
pp.905-908
発行日 1973年8月15日
Published Date 1973/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542908186
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最近脂質代謝動態を知ることが重要視されてきており,Phospholipidsの測定が日常検査に盛んに取り入れられてきた.代表的な測定法としてはKing1),Beve-ridge2)などがある.King法,Beveridge法は,有機溶媒でリポタンパクの形で存在しているリン脂質を抽出し,湿性灰化に硫酸および過塩素酸還元剤としてアミノナフトール,スルホン酸や硫酸ヒドラジンなどが用いられ,モリブデン酸で呈色比色定量を行なう.いずれにしても従来における測定法は煩雑さと再現性が必ずしも十分とは言えない.一方簡易化された測定キットにHoe-flmayr-Fried変法4)(以下H-F変法)があり開発されていたが,今回HF変法の酸化分解温度(酸化試薬),還元剤の点でさらに改良されたPLキットNが開発された.PLキットNは三塩化酢酸でリン脂質を沈殿させ硫酸過マンガン酸塩を加え煮沸水浴中で加熱(湿式灰化)を行ない,有機物は酸化分解に伴いリン脂質より無機リンまで分解される.灰化により生成した無機リン酸にモリブデン酸アンモニウムと還元剤NaHSo3を加えることによりモリブデンブルーが生成され青色調を呈色し,比色することによりリン脂質の量が求められる,今回従来のHF変法とPLキットNを比較検討する機会を得たので報告する.
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