Japanese
English
特集 臨床教育
疾患・障害別にみた到達目標
関節リウマチの作業療法
Occupational Therapy for Rheumatoid Arthritis
三田 幸恵
1
,
池ケ谷 博英
1
Sachie MITA
1
,
Hirohide IKEGAYA
1
1中伊豆温泉病院
1Nakaizu-onsen Hospital.
pp.522-526
発行日 1987年8月15日
Published Date 1987/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518103837
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Ⅰ.初めに
リウマチ白書(リウマチ友の会,1985年)によれば,アンケート調査で回答のあった5603名の慢性関節リウマチ(RA)患者のうち,46.7%がリハビリテーション(以下,リハビリと略)を行っていないと答えている.その理由は指導する先生がいないこと(28.3%),施設が遠いこと(15.1%)などである.ここでいう“リハビリ”とはPTが主体となる運動療法の意味が強く,OTの役割りを知る人は少ないようであるが,いずれにせよ“リハビリ”の必要な多くのRA患者の存在が窺(うかが)われる.RA患者がOTをよく知らないということは,我々OT側からみるとRA患者に出会う機会が少ないとも言えるであろう.
RA患者は発病後5年目くらいから自助具の使用頻度が高くなることを白書は報告しており,発病11~20年のRA患者の32%が自助具の使用により衣服着脱動作の自立が可能と答えている.自助具の指導,給付のほかにも,RA患者に対してOTの果たすべき役割りはたくさんあるが,まだまだOTのRAへの関与が乏しいというのが現状である.
中伊豆温泉病院はリハビリテーション専門病院の中でも比較的にRAの入院患者が多く,OTに処方が出される数も多い.
当院での臨床実習では,必ず1名のRA患者を学生が担当するよう実習プログラムを組んでいる.未だ不十分な実習プログラムであるが,今後の学生の臨床実習の参考になればと思い,その内容を紹介する.
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