身障作業療法におけるリスクとその対策

Risk of physical disabilities OT and its counterplan.

はじめに

　リハビリテーションプログラムでは，多くのチームが一人の患者にアプローチする性質上，立ち場の違い，テクニックの相違，取り扱う分野の違いにより，おのずから異ったリスクへの考え方が現われてくるのは当然であろうが，そこにはチームとして働く為に，ある程度一貫したリスクへの共通概念も必要とされる．医師を中心としたリスクの管理，PTのリスク，その他のチームのリスクに対する考え方，対策法を知らねばOTとしてのリスク管理も成り立たないし，大きな失敗を起す事になるかも知れない．

　上田は本誌6巻2号の中でリスクとは“いわゆる予想される危険”であり，外科手術に対するリスクとリハビリテーションにおけるリスクとは，同日に論ずることには無理があろうが共通点も又ある，と述べている．リスクの基礎概念を勉強する意味でも大変手助けとなった．

　私はここに“リスクとは”という観点からではなく，身障OT Exercise期までの一般的プログラム（PTと重複する所もあるが）に沿って，それらの中でOTを中心としたリスクへの考え方や対策に対し，2～3の例を設定，挿入しながら記してみた．