Japanese
English
研究と報告
片麻痺患者に対する経皮的電気刺激によるつまみ力の基礎的研究(第1報)
Electrical Stimulation・with Four Muscles and Pinch Force in Hemiplegic Patients
生田 宗博
1
Munehiro IKUTA
1
,
Dorothy J. Wilson
2
,
Jeanny Jackson
2
,
Debraha Hosfall
2
,
Jacquelin Perry
3
1金沢大学医療技術短期大学部
2ランチョロスアミゴス病院
3ランチョロスアミゴス病院
1Department of Occupational Therapy, The School of Allied Medical Professions, Kanazawa University.
2Department of Occupational Therapy, Rancho Los Amigos Hospital.
3Department of Pathokinesiology Service, Rancho Los Amigos Hospital.
pp.555-560
発行日 1986年8月15日
Published Date 1986/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518103620
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はじめに
日・米両国において脳卒中の発生件数は依然多い20,21).脳卒中後片麻痺患者に対してファシリテーション訓練等積極的リハビリテーションを行っても,麻痺側上肢機能の回復は難しく,廃用手あるいは名前だけの1)補助手に終る者が多い.多くの片麻痺患者にとって,Brunnstrom23)の回復段階5に相当するつまみ機能の回復は困難あるいは不可能となる.
近年,弱化しあるいは能力を失った筋・関節運動機能を強化し再機能させる目的で,Functional Electrical Stimulation(以下FESと略す)が用いられる.臨床的にはWaters等2),Bajd等3),Baker等4)がおのおの末梢神経損傷,脊髄損傷者,脳損傷患者を対象としてFESを用いて歩行能力を高めたと報告した.
つまみ機能等の手指機能を失った片麻痺患者の手指機能を,再び獲得させるためには,今後FES技術の利用が検討される必要がある.今回,米国カリフォルニア州ダウニイ市のRancho Los Amigos Hospital(以下RLAHと略す)の脳卒中後片麻痺入院患者を用いて,前腕と手部の計4筋に同時にFESを経皮的に加えて,示指と中指に母指を対立させた3指つまみを作り,その時のつまみ力を測定する実験を行った.
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