特集 障害者ドライビング
<随想>
障害者ドライビングの問題点
大喜多 潤
1
1兵庫県リハビリテーションセンター
pp.383
発行日 1985年6月15日
Published Date 1985/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518103339
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身体障害者と車(自動車),この取り合わせは,障害者と自助具の関係にも等しいと言えるが,それ以上の意味を含んでいる.それは,身体機能面では,一般健常の者と比較するとある面でDisabilityが目立つが,機械装置を通して作業をさせた結果でのhandicapは目立たない場合が多い.脳性麻痺障害のケースが機械と言う<インターフェース>を通すと,不随意運動がフィルターにかかって,本来彼が意図していた結果のみが得られ,不可能と見られていた,障害者の能力開発が比較的容易に達せられたことに等しい.
自動車は自助具と言っても単なる自助具ではなくパワーサプライされた,つまり外部動力利用の自助具でこの効用は,はかり知れないものがあり,行動半径の拡大や,物の運搬,私目的に使える移動空間の確保,車文明に用意されているものの利用,共有などと車運転によるメリットが大きい,またこれらの影響により,障害者自身の視野が広がり,社会参加の機会が多くなり,ノーマライゼーションの理念に大きく近づくと言っても過言でない.
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