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特集 シンポジウム/チーム医療の人間関係
チームワークの問題点―理学療法士の立場から
Issues in Rehabilitation Team Work: A Physical Therapist's View
大峯 三郎
1
Saburo OHMINE
1
1産業医科大学付属病院
1Department of Rehabilitation, University Hospital of Occupational and Environmental Health.
pp.13-20
発行日 1985年1月15日
Published Date 1985/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518103238
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Ⅰ.はじめに
リハビリテーション(以下リハビリと略)の最終的目標は障害を持つ者の全人間的復権4)にあると言うことに関しては,今さらながら論を待つほどのことではない.
また,これらの目標を成功させるためには同じ目的意識のもとで医師をはじめとして,理学療法士(PT),作業療法士(OT),言語治療士(ST),看護婦,ソーシャルワーカーなどの多くの専門職鍾が当然,参加して行わなければならない.そして,これらの各種専門職種間の水をも洩らさない連携と綿密なチームワークが必要であることも疑いの余地はない.事実,それらの必要性については数多く論じられていることからも,伺い知ることができる5~10).さらに,このチームワークについても,それぞれの専門職種がチーム内で各自の役割を十分に認識した上で相互の信頼と専門性を尊重しながら成立することが理想であろう.しかしながら,現実的には専門職種の人員不足,相互の役割の認識や理解の不十分さ,チームメンバーのパーソナリティ,病院運営機構上の問題などの種々の制約により機能的かつ有機的なリハビリ・チームワークの運営を行うことが困難な場合も少なくない.さらに,このチームワークの運営のまずさによって本来十分な恩恵を受けるべき障害者およびその家族に対してのリハビリサービスに支障があってはならない.そこで今回,チームワークに関して大学病院に所属する一理学療法士としていくつかの問題点を述べてみたいと思う.
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