特集 診療報酬
診療報酬に対する問題点―作業療法士の立場から
大橋 博
1,2
1三重県立高茶屋病院
2社団法人日本協会診療報酬対策委員
pp.1003-1005
発行日 1981年12月15日
Published Date 1981/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518102535
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はじめに
今回,昭和56年6月の診療報酬改定は,昭和49年に理学療法と作業療法の保険点数が,新設されて以来の画期的な改定であった.
それは,物よりも技術料重視の精神で貫かれており,特にリハビリテーション医療の技術料について,身体障害関係に限ってみれば,我々が多年に亘って主張してきた原価保障1)を,全面的に認めてくれた措置であり,関係官庁,関係諸団体の努力に大いなる敬意を表したいと思う.
しかしながら作業療法で,身体障害と車の両輪の如き関係にある精神障害の保険点数を,極端に低いままに据え置いたために,その原価の保障が37%1)しかなされていないことは,行政当局の重大なる手落ちと云わざるを得ないので,本文では精神科作業療法を中心とした問題点を提起し,その保険点数の改定を訴えることにする.
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