プログレス
頸椎・頸髄外科の最近の進歩
平林 洌
1
1慶応義塾大学整形外科
pp.263
発行日 1984年4月15日
Published Date 1984/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518103075
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平均寿命の延長,それに伴う人口の高齢化,交通戦争の激化などによって,頸椎・頸髄疾患患者もたしかに増加しつつある.悪性腫瘍の転移,変形性脊椎症,後縦靱帯骨化症,頸椎・頸髄損傷などの増加ぶりを思いうかべて頂ければよい.
それらの頸椎・頸髄疾患に対して,その治療目的は現代医学においても,除圧と固定にあることに変わりはない.ただair drill,手術用顕微鏡,Luque instrumentation,halo装具などの手術,治療器具の進歩,CT,選択的脊髄血管造影法,脊髄波検査法などの診断技術の進歩によって,除圧と固定がより的確に,より徹底して行われるようになった結果,従来より良好な麻痺の回復と脊柱支持性の再建が可能となり,患者のADL上に大きな福音をもたらしつつあることも確かである.
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