臨床経験
頸椎手術および頸髄損傷に合併した尿崩症について
小野 啓郎
1
,
杉野 哲也
1
,
小田 義明
1
,
松井 清明
1
,
田島 隆興
1
,
水野 祥太郎
1
Keiro ONO
1
1大阪大学医学部整形外科
pp.139-146
発行日 1970年2月25日
Published Date 1970/2/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408904369
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いとぐち
脊髄損傷患者の尿量が,時として,かなり増減することはしばしば経験される事実である.ただし,水の出納を十分管理し原因をきわめるだけの綿密な取扱いがなされていないので,結局は,異常かどうかさえわからずじまいになりがちである,合併する尿路感染症が,また,原因の究明を困難にすることもある.尿量の異常な増減が,一般に,短期間で正常化するらしいことも見すごされやすい理由にあげられよう.
最近わたくしどもは頸椎手術および頸髄損傷にひきつづいて起きた尿崩症を3例経験したので報告し,この問題について考察をくわえたい.
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