Japanese
English
研究と報告
重心動揺測定による脳卒中後片麻痺患者の平衡機能障害に関する検討
Study on Disturbance of Equilibrium in Stroke Patients by Measuring Sway of Center of Gravity
丸田 和夫
1
,
白倉 卓夫
1
,
丸田 外美江
2
,
関本 守
Kazuo MARUTA
1
,
Takuo SHIRAKURA
1
,
Tomie MARUTA
2
,
Mamoru SEKIMOTO
1群馬大学医学部附属病院草津分院
2二の沢草津病院
1Dept. of Rehabilitation, Gunma University School of Medicine, Kusatsu Branch Hospital.
2Ninosawa-Kusatsu Hospital.
pp.195-200
発行日 1984年3月15日
Published Date 1984/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518103061
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はじめに
脳卒中による片麻痺患者の運動障害は中枢性運動障害として捉えることが重要であるとされている1).また片麻痺患者の運動機能は片麻痺の回復過程を評価することによって把握することができる2,3).しかし中枢神経障害の際には単なる麻痺だけではなく,連合反応(associated reactions)や姿勢反射(postural reactions)および筋緊張(muscle tonus)などの異常もみられてくる4).また同時に立ち直り反応(righting reactions)や平衡反応(equilibrium reactions)などの障害が潜在している可能性も指摘されている1,6).したがって片麻痺患者のリハビリテーションにおいては,このような姿勢と動作に関連した機能の障害を明らかにして機能訓練を進める必要がある5,6).しかし坐位や立位でのバランスの障害を定量的に評価して検討した報告は少ない7~9).
そこで,我々は脳卒中後片麻痺患者の重心動揺を測定して,その立位時の平衡機能障害について検討した.その結果片麻痺患者では健常者に比して重心動揺の増大が明らかに認められ,脳卒中後片麻痺患者ではこのような平衡機能障害が多かれ少なかれ併存していると考えられた.さらにこの障害は重心動揺測定によって定量的に評価することが可能であると考えられたので,その成績を報告する.
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