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講座
痛みの生理学 9.電気麻酔の原理と痛みに対する電気刺激の生理的作用
Physology of Pain 9. Fundamentals of Electroanesthesia and Physiological Effects of Electrical Stimulation for the Control of Pain
加納 竜彦
1
,
下地 恒毅
2
Tatsuhiko KANO
1
,
Koki SHIMOJI
2
1熊本大学医学部麻酔学教室
2新潟大学医学部麻酔学教室
1Department of Anesthesiology, Kumamoto University.
2Department of Anesthesiology, Niigata University School of Medicine.
pp.613-621
発行日 1983年9月15日
Published Date 1983/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518102924
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はじめに
治療を目的とした生体への通電は,疼痛対策,リハビリテーション1~5),精神病患者のショック療法と3つの方向に大きく分化し発達した6).なかでも電気を利用した疼痛対策は,痛み機構に関する近年の研究進歩と電気工学の発達に伴い,今日期待がよせられている分野である.
生体に外部から電気刺激を導入し可逆的な麻酔,鎮痛を得る方法は,外科手術時の麻酔を日的とした頭部通電による電気麻酔,Electroanesthesia(EA)と,疼痛治療を目的とし末梢神経,脊髄後面もしくは深部脳へ局所的に通電する電気的鎮痛,Stimulation Produced Analgesia(SPA)に大別される.頭部通電による電気麻酔は大電流を要するが,全身的無痛と同時に意識消失をみる.一方,電気的鎮痛においては,疼痛以外の知覚は正常に保たれ,随意運動も可能であり,意識の変化をみることもない.
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