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研究と報告
慢性関節リウマチ患者の日常生活動作―外来通院患者について
Activities of Daily Living for Outpatients with Rheumatoid Arthritis
白川 康彦
1
,
椎野 泰明
1
Yasuhiko SHIRAKAWA
1
,
Yasuaki SHIINO
1
1社会保険広島市民病院理学診療科
1Department of Rehabilitation, Hiroshima city Hospital.
pp.195-200
発行日 1983年3月15日
Published Date 1983/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518102815
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Ⅰ.はじめに
慢性関節リウマチ(以下RA)患者の理学療法を行う場合,常にその疾患としての特異性があげられる.RAは進行性,破壊性の特徴を有する全身性の疾患で,身体機能の障害を伴い,その経過は各症例でまちまちであり,予測は不可能といっても過言ではない.このような特異性を持つRA患者の評価においては,身体的機能評価のみでなく,日常生活動作(以下ADL)のテストを行うことが重要である.それは評価の目的が,患者の全体像を把握することにあるからである.しかし,ADLの定義は今も論議されており,1976年日本リハビリテーション医学会評価基準委員会においては,「ひとりの人間が独立して生活するために行う基本的な,しかも各人共に共通に毎日繰り返される一連の身体動作群」という概念を提唱している.しかし具体的な内容となると,テスト項日,評価基準,場面設定などについて,各病院,施設でまちまちである.そのため障害の程度について基準化されたもので評価することは不可能であり,ADL評価が客観性に欠ける原因となっている.今回我々は,一つの樣式をもつADLテストをRA患者について実施し,患者の状態把握を行い検討を加えたので報告する.
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