Japanese
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特集 シンポジウム「専門職としての倫理」
医療の構造と医療者の倫理
Structure of Modern Medical Care System and Professional Ethics
砂原 茂一
1
Shigeichi SUNAHARA
1
1国立療養所東京病院
1Tokyo National Chest Hospital.
pp.141-148
発行日 1983年3月15日
Published Date 1983/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518102806
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治療上の虚無主義
十数年前にもなりましょうか,一時看護婦の間に奇妙な看護独立論がはやったことがあり,医療の外に看護の旗を立てようという突飛な主張が行われました.よせばいいのにそれをからかったために大変うらまれました.私の当時からいっていたことは医師の仕事としてのcureも看護婦のいうcareも本質は同じで,むしろcureはcareの一部と考えるべきなのだから対立しないで仲良くおやりなさいということだったのです.ところが近ごろでは私の云っていたことは常識になろうとしています.一々名前はあげませんがことにアメリカで出版され,近ごろ邦訳された書物にはdiseaseでなくillnessをcureでなくcareをという主張を含んだものが少なくありません.病気でなく患者をというのもほぼ同じような主張なのでしょう.
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