特集 手の外科
<印象記>米国Hand Therapyの現状―訪問記と日本における展望
椎名 喜美子
1
1東京都立広尾病院
pp.487-489
発行日 1982年7月15日
Published Date 1982/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518102667
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はじめに
1981年7月から8月にかけて,新潟大学整形外科教授田島達也先生にお世話頂き,同大学病院OT小野敏子氏と共にアメリカにある三ヵ所ほどの病院で“hand therapyの実際”について見学,研修する機会を得た.小野氏共々文献や人づてのみの情報ではもの足りず,アメリカにおける組織化されたhand centerでのtherapyに深く関心を抱いていた.また実際に手の外科患者を多く見る立場ながら,日本においてはいまだ独立したtherapyとしてほとんど確立していない領域のため,therapistの先人もなく具体的な部分で暗中模索していた時期であり,貪欲に見聞きし,資料,情報,具体的な評価法・テクニックに至るまで吸収するよう努力した.今回本誌の手の外科特集に際し,その訪問記と日本における将来の展望について書く機会を与えられたので若干の私見を混じえてまとめてみたい.
なおアメリカにおけるhand therapyの歴史とAmerican Society of Hand Therapists(ASHT)については,本誌第15巻12号1038頁に日本人で唯一の会員である矢崎潔氏による紹介記事が掲載されているので本稿では省略する.興味のある方は参照されたい.
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