The Japanese Journal of Physical Therapy and Occupational Therapy
Volume 14, Issue 2
(February 1980)
Japanese
English
特集 診療報酬
診療報酬―作業療法士側から望まれる改良点について
Health Insurance Fees: Desirable Improvements from the Stand Point of Occupational Therapist
大橋 博
1
Hiroshi OHASHI
1
1三重県立高茶屋病院
1Mie Prefectural Hospital Takachaya.
pp.102-106
発行日 1980年2月15日
Published Date 1980/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518102091
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はじめに
国民皆保険の今日,診療報酬は各種の公費負担も含め,すべて健保の点数を基準にして算定されており,点数化されていないと医療行為としての評価をされず,予算の重点配分からはずされて,金の面からの制約をうけるためその療法の向上発展は至難の技となる.
作業療法については,永年の努力がようやく認められ昭和49年2月に,理学療法と共に点数化が実現して,経済的な障害を除去できる足場を得たことは,大きな前進であったと評価できる.
その結果,以前には遅々として進まなかった作業療法士の定数化,定数増が,点数化の実現によって,各病院,各施設で積極的に行われるようになり,それまでなおざりにされていた作業療法場の整備,作業材料費の予算化が実現し,それによって使役的傾向のある作業種目は淘汰されつつあり,作業療法の内容が著しく改善された.
しかしながら,①点数が低く押えられていることによって,作業療法は依然として赤字部門であること,②施設認定基準で作業療法士1人当りの標準診療件数を多く想定していることによって,特に精神科部門においては,密度の濃い個別的作業療法が出来にくいことも問題として残っている.
作業療法をどのように育成し発展させていくか,または著しく偏向させ医療荒廃への道に追いやるかは,一に診療報酬の在り方にかかっているといっても過言ではないと思うので,前述の2点についての改良を強く望んで順次述べることにする.
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