Japanese
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特集 デイ・ケア
老人のディ・ケアにおける作業療法
Occupational Therapy for the Aged in Day Care Service
河本 のぞみ
1
Nozomi KAWAMOTO
1
1至誠ホーム
1Shisei Home.
pp.713-717
発行日 1981年8月15日
Published Date 1981/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518102457
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Ⅰ.はじめに
社会福祉サービスが,施設ケア中心主義から在宅者福祉対策の重視傾向へと変化してきている.老人福祉についていえば,高齢化社会の到来に伴う高齢虚弱人口の増加により,丸ごと生活を引き受ける収容施設でのケアだけでは,そのサービスに浴することのできる人数があまりにも限られている,ということが理由のひとつにあげられる.しかし,それ以上に「居宅処遇の原則」に拠る認識が浸透しつつあることが,大きな理由であろう.すなわち,老人にとって最も望ましい生活の場は1),自らが社会活動に参加し主体的に過ごしてきた家庭であるということ,したがって可能な限りその場所での生活を続けるにこしたことはなく,そのために福祉サービスが機能するのは当然である,という認識である.老人のデイ・ケアサービスを総合的に実践している施設は,まだ数が少ない.筆者の勤務する老人施設にデイ・ケア部門,特に作業療法士(以下OTと略)のかかわるデイ・ホームが開設されて2年半経過したが,全体のプログラムはまだ試行錯誤の状態である.しかし,新しい試みに最初から参加できたことは,OTとして幸運であったと思う.ここで与えられた機会に,筆者自身手探りで行ってきたデイ・ホームでの作業療法という仕事に対し客観性を問うてみようと思う.
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