Japanese
English
研究と報告
視床出血患者の機能予後―血腫部位別分類と機能回復について
Functional Prognosis in Patients with Thalamic Hemorrhage: Functional Recovery and Extent of Hematoma
伊藤 日出男
1
,
中野 博明
2
Hideo ITO
1
,
Hiroaki NAKANO
2
1弘前大学医療技術短期大学部
2秋田県立脳血管研究センター
1Junior College of Allied Health, Hirosaki University.
2Akita Prefectural Research Institute for Brain and Blood Vessels.
pp.671-677
発行日 1981年7月15日
Published Date 1981/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518102445
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Ⅰ.はじめに
視床出血患者の機能予後に関するリハビリテーション(以下リハと略)領域からの報告はみられない.その理由として,視床出血の血腫の拡がりを正確に知ることが比較的困難であったという診断上の問題と,テント上脳出血の中でも生命予後が不良とされていた事が上げられる.しかしコンピューターX線断層撮影(以下CTと略)の導入により,軽症例も含めて視床出血の正確な診断が容易となり,手術を含めより的確な治療が行われるために,むしろ生命および機能予後ともに良好例が多いように思われる.そこで我々は秋田県立脳血管研究センター(以下秋田脳研と略)でCTにより視床部出血と診断された60例について,退院後の追跡調査を行い視床内の血腫部位による分類と,日常生活動作(以下ADLと略),運動機能と知覚障害の回復状況,および言語や精神機能との関連について検討を加え報告する.
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