Japanese
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特集 物理療法
MEの発展と物理療法への応用
Development of Medical Electronics and its Application to Physical Therapy
福井 圀彦
1
Kunihiko FUKUI
1
1神奈川県総合リハビリテーションセンター七沢病院
1Kanagawa Rehabilitation Center, Nanasawa Hospital.
pp.485-490
発行日 1981年5月15日
Published Date 1981/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518102399
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はじめに
トランジスター,IC,LSI,超LSIなどはレーザー光線とならんで今世紀最大の発明の一つであり,これに伴って軽量,小型,小電力化されたME注)機器は多くの分野で画期的な進歩をみせており,さらにコンピュターのハードおよびソフト面における開発は,多くの問題にたいし容易に,短時間内に解答を与えることが可能になった.これらは最近のX線CTやポジトロンCTなどの成果をみれば一目瞭然であろう.
また,電池の小型化と長寿命化は小型ME機器とあいまって携帯用ME機器の実用域を拡大したことは確かである.
一方,いわゆる物理療法のほうも,電気,光線,温熱,水治のように長い歴史と伝統をもった部分はそのまま残しながら,徐々に変貌を続けており,一部のものは治療用としては全く使われなくなってしまっている(たとえば電光浴,赤外線など).
その反面,従来の物理療法の延長線上にあるもの(超低温療法など)や,物理的ではあってもかなりおもむきの異なるもの(レーザー光線,ペースメーカーなど)などが出現してきており,これらの中の一部のものはリハビリテーション(以下リハ)的感覚で受けとめることができるが,一部のものは他領域の治療法の一つに定着している(たとえばアルゴンレーザーによる光凝固療法).
したがって,ここで述べる物理療法とは従来用いられていた物理療法の概念からやや離れて,リハに関連する物理的な療法と広い意味に解釈して話を進めてゆくこととする.
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