昭和の暮らし・第79回
昭和写真室:粉ミルク
市橋 芳則
1
1北名古屋市歴史民俗資料館
pp.760
発行日 2023年7月15日
Published Date 2023/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5001203445
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左の写真は,昭和40年か.男の子の手には,空気を吹き込んで膨らませるビニール製のウサギ,右側には粉ミルク(ダブルG森永ドライミルク)の缶やお湯の入った魔法瓶が置かれている.また左奥に目覚まし時計が横を向いているのが見える.
男の子が腰かけているのは,家の構造としての南面につくられた板張りの縁側である.日当たりのすこぶるいい場所であり,庭と部屋をつなぐ空間として,日本家屋には欠かせない場所であった.夏の日差しや,冬の寒風を防ぐ風除室の役割も果たしていた.夏はガラス戸を開け放って風通しをよくし,冬は日向ぼっこのできる暖かなスペースである.
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