特集 外科外来マニュアル
私の治療
各論—頭頸部
粉瘤
若林 利重
1
1東京警察病院外科
pp.616-618
発行日 1982年5月20日
Published Date 1982/5/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407207952
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□概説
粉瘤は脂腺(皮脂腺)の導管が閉塞して発生する貯溜嚢胞である.顔面,背部,臀部などに好発する.手掌,足底には脂腺を欠くので発生しない.粉瘤はこれを被う表皮との間に必ず癒着を有する.そのため皮膚に陥凹をみることが多い.また表皮下での移動性を欠き,表皮だけをつまみあげることはできない.しかし下層との間には移動性を有する.硬さは泥状軟または硬靱である,内容は灰白色泥状の物質で豆腐のおからのような外観を呈する.いわゆるAtherombreiで悪臭を発することが多い,粉瘤はしばしば炎症をおこし膿瘍を形成する.
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