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講座
CTスキャン 1.歴史
A History of Computed Tomography
宍戸 文男
1
,
舘野 之男
1
Fumio SHISHIDO
1
,
Yukio TATENO
1
1放射線医学総合研究所臨床研究部
1National Institute of Radiological Sciences.
pp.629-634
発行日 1979年9月15日
Published Date 1979/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518101990
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はじめに
X線コンピュータ断層(X線CTと略す)は,X線を人体に照射し,得られた情報を立体復元理論に基づき,コンピュータを利用し,断層像を再構成して,表示装置に映し出して診断に利用する診断法である.この診断法は,(ⅰ)X線ビームを走査し,計測を行う技術,(ⅱ)計測したデータを高速で収集し,画像処理の計算を行い,結果を画像として表示する技術,(ⅲ)コンピュータを用いた画像再構成の数学的な立体復元の理論,の3つの技術をもとにして完成された放射線診断法である.この診断法によって,それまでは知り得なかった頭蓋骨内の病変を非観血的に知ることが可能となったのである.
本稿では,X線CTの登場の背景をなした研究を紹介していく.まず世界に先駆け,フィルムによる回転横断断層を完成した高橋の研究,梅垣らのX線走査トモグラフの研究等我国で行われた重要な研究を紹介する.次にOldendorf,Cormackの研究も走査技術の点で重要である.ラジオアイソトープの分布を横断断層像とするRICTも重要な背景の1つである.画像再構成の技術は主に電波天文学,電子顕微鏡技術の分野で研究されていたものである.
さらに,EMIスキャナ登場後のX線CTの発達と,国内での普及を簡単に振り返ってみたい.
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