とびら
マンネリズムにおちいるなかれ
佐藤 孝三
1
1日本大学整形外科
pp.587
発行日 1979年9月15日
Published Date 1979/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518101977
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およそ20年ほど前のことであるが,ドイツのハイデルベルグ大学を訪問したときに,片麻痺の集団機能訓練を見学する機会を得た.広い訓練室に30人ほどの患者が集まっていて,1人の30歳前後の女性PTが主任指導員となり,そのほかに数名の助手が患者にまざって立っていた.
訓練は坐位での上肢訓練に始まり,ついで起立訓練にうつり,最後に歩行訓練が行われたが,その間指導員の女性PTは前方の台上に立って勇ましく号令をかけ,助手達は患者の間を素早くかけめぐりながら適切な介助と助言とを与えていた.当時アメリカを見てからヨーロッパに渡った私にとっては,これはいかにもドイツ的に見える一光景であった.
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