コーヒーブレイク
ウオークマン
W. S.
pp.388
発行日 1982年4月1日
Published Date 1982/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543202489
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私は流行をすぐ追いかけるのはあまり好きでない.いや本当は好きで,電気的なヒント商品がでるとすぐ買いたくなるのだがじっと我慢しているのが正直なところである.しかしラジオも録音装置もないウォークマンに,何だって人気があるのか不思議だった.
あんなもの聴いていると難聴になるぞと脅していたが,娘は我慢しきれず買ってきた.片耳だけのイヤホーンとは大違いで,洒落た軽いレシーバーを両耳にあてると,低音は少し物足りないが切れの良いきれいな高音で,両耳に直接入るから室内においたスピーカーで聴くより遥かに立体感がある.電車の中などで音が漏れて不愉快だという投書記事を読んだにとがあるが,自分に適した音量だとほとんど他人には漏れない.ディスコやカラオケの騒音ともいえる音のエネルギーに比べたら,聴覚にあたえる悪影響もそうあるとは思えない.四次元的な良い音,テクノっぽいレシーバー,ソニーというブランド,ちょっと高目の値段などが若い人たちを巧みにとらえたのであろう.
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